最終的に、総司の死が描かれるのかどうなのか、非常に気になっていました。
44巻の最後で彼が亡くなり、でも最終巻ではない。
ならば次の終わりの切っ掛けはなにかな、と思っていたんですが、まさかの授かりエンド。
しかもその子供は総司との子ではなく、五稜郭へ総司の死を報告したときの、土方との子。
「何がどうしてそうなった」ですよね。
最終巻の本編だけを読み返し、自分なりに解釈。
セイが追い腹を切ることが分かっていた総司だけど、どうやって生かせばいいか分からず、自分には時間もない。だから、昔から頼っていた土方さんに希望を託した。
彼ならセイを生かしてくれるという信頼でしょうか。
セイはセイで見事に総司の思惑通り動くけど、土方を追いかけながら新選組の現状を知り、追い腹が禁止ならばせめて隊員たちと共に戦い果てたい、と希望を育て、五稜郭ではすっかり隊士服をまとって土方と対面。でも女と認めてしまったことで、復隊は受け入れられずに大泣き。
土方は、総司がセイを自分に合わせた理由を察し。でも目の前のセイを「死」以外に目を向けさせる策は思いつかず、それで「希望」という言葉でセイに目隠しして妊娠させるという乱暴な方法をとった――と。
土方さん的にはセイに恋愛感情持ってるわけではなく、ただ総司の最後の願いを叶えるために、自分なりの最善策だったんでしょうけど、まぁ、私目線からしたら最低だわな;
総司も多分、そんな具体的なこと望んでたわけじゃないと思う(思ってたら一気に冷めた目で見るけど)し、まぁ、そんなこと考えてる余裕も時間も彼にはなかったわけで、それでもセイが生きていてくれればいいという一心で土方に託そうとしたわけですよね。
最終的にセイが自殺しないで済んだのは嬉しいけど、全員セイの意志をガン無視なのは腹立ちますね。セイも、最終的に土方の考えとかは分かってるっぽかったけど、理解と感情は別ですからねぇ。
そして生まれた子供はなぜか総司にそっくり。
どうなってんだよDNA。そこだけご都合主義なのは気に入らない。そこをご都合主義にするなら別のところをご都合主義にすれば良かったのに。
潔く土方似にしておいて、父は誰なのかと聞かれたときに「あなたは武士の子よ」と答えて終わり、だったらもう少し納得できたのに。
最後のまとめ方は、どうまとめても史実で彼らが死ぬ以上は不満が残るだろうな、喪失感あるだろうな、とは思っていたけど――まさかそんなエンドになるとは思ってもみませんでした。
でも、今までの幸せな時間がなくなったわけではないですし……長年の連載、お疲れ様でした。