原獣文書

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概要

謎の奇病によって世界人口が激減し、そこから再生を目指すため「新大陸」という希望を投じる博士と、その調査隊を護衛するチームの班長になった村上。
新大陸の住民たちと触れ合いながら調査を進めていくが、大陸人にしか意味のない「運命の石」が二人の間で割れてしまう。博士の出生や、旧人類の飽くなき存続への欲望。
他ならぬ博士の知的欲求を起点として、新大陸の調査は続いていく。

書籍情報

第1巻
2017/01/27

最終巻
2021/07/22

  • 作 者:なるしま ゆり
  • 最終巻:2021/7/22
  • 全10巻(完結済)

感想 <ネタばれ有>

作者買いで読み始めてのめり込みました。
別の単行本「レプリカマスター」と世界観が同一で、原獣文書はそのはるか未来のお話です。

掲載誌が休刊となったため長らく完結を見込めない作品として非常に心残りでした。
電子書籍で「完結」の文字を見つけたときは飛び上がるほど嬉しかったです。

登場人物が誰もかれも素敵です。

中でも主役である博士は飛び抜けて素敵です。
自分の元気が足りない時に博士が近くにいると活力が湧きそうです。
逆に自分が元気でいるときは村上班長と同じジレンマに陥りそう。
班長には本当に同情します。(笑)

大きな伏線、3人の巫女のお話について。
ちょっと最後が消化不良な気分でした。
でも、色んな人の言動を考えると、あれが一番落ち着いた結果だったのかもしれません。
『彼』が思慮深い部族のところにいてくれて安心しました。

9巻に入ってからは作品自体の雰囲気が変わったように思えて不安でした。
詰め込みで消化不良になるのは嫌ですが、不要に引き延ばされるのも嫌だったので、どうなるんだろう、と。

心配ご無用。
言葉での説明が多く、哲学やら倫理やらも組み合わさって、脳内が大変なことになりましたが、大満足の最終話でした。
伏線も無事に回収され、新たな事実も博士によって解き明かされていき。
そして最後はやっぱり彼の最強押しで、また新たな企画がスタート。

村上父のほんわかした受け入れが、もう、笑うしかない。

前向きさしかない博士は本当に最強だと思います。

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